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職業:わかりやすくする人、グロースハッカー。
トップグロースハッカーの片岡さんが目指す「とことん優しいデザイン」とは

優れた改善実績を上げたグロースハッカーを表彰する『グロース ハッカー アワード』で2年連続(2016年/2017年)で受賞をしているトップ・グロースハッカーが片岡彩子さん。2014年からの3年間に、通算600件近くの改善デザイン案を投稿している。今回、ビジネス向けの動画学習サービスSchoo(スクー)のグロースハック講座に講師として登壇されるために、お住いの福岡から東京のスタジオにいらしていたところへお邪魔してお話を聞いた。

片岡さんのグロースハックのアプローチやデザインの作り方については、スクーの講座でお話されていたので、こちらでは、片岡さんがグロースハッカーになったきっかけや、フリーランスとしての働き方などを聞かせていただいた。

 

スクーでの講座の様子。スクーのサイトをグロースハックして、担当者とディスカッションするというユニークな内容。片岡さんのデザインはオンラインでの受講者から”わかりやすい”というコメントが寄せられていた。

Webデザイナーとして制作会社に勤めてました

佐賀大学を卒業し、東京のWeb制作会社でデザイナーとしてのキャリアをスタートした片岡さん。就いた仕事や職場の環境が合わなかったり、福島で東日本大震災に被災したりと、会社勤めは順風満帆ではなかったという。

片岡さん :「2009年から2013年までの4年間、東京⇒福島⇒東京⇒福岡と4つの企業を転々としたんです。実は、会社員時代にはあんまりいい思い出がなくって。会社自体がなくなったり、震災がきっかけで色々ごたついたり、パワハラやセクハラなどでメンタルが参ってしまったり…。今だから笑って話せますけど、当時は、大変だったなあ……」
「頑張って就活しようと思ったんですけど、『就職に…疲れたー…』となってしまって。メンタルがやられて、リアルに動けなくなったりもしまして…このままじゃ死ぬなー、と思って。夢や目標があったわけではなく、やむにやまれず、消去法でフリーランスになったんです。基本的に自宅でもできる仕事でとてもラッキーでしたね。」

片岡さんがフリーランスとしてのキャリアをスタートさせてから暫くして、福岡のフリーランスのエージェントであるクリエイティブセンター福岡CCFに登録した。転機となったのは、2014年からクリエイティブセンター福岡が、Kaizen Platformからのグロースハック案件の紹介を始めたことだった。

グロースハックと出会い「自分に合っている仕事かも?!」と思った

 

 

片岡:グロースハックは、数字で良し悪しの判断をしてもらえるところが、すごくいいなと思います。そこが通常のWeb制作業務との大きな違いです。通常の制作業務の場合、Webデザイナーはデザインを”作ったら終わり”で、納品後に『作ったデザイン自体の良し悪し』について、フィードバックを受ける機会が、そもそもないことが多いんです。」

「あったとしても、その判断基準は『どのくらいの効果をもたらしたか』ではなく、『クライアントや同業者の好き嫌い』という、非常に感覚的なものである事が多い。『制作物自体の良し悪しの判断基準』を、”感性”に頼るしかないのはなかなかキツいことで、そのために起こってくる様々な問題に、苦労し悩んでしまうデザイナーも多いのではないでしょうか。」

「グロースハックは、狙った効果が出るかを実際に測定してもらえますので、曖昧で感覚的な基準に依存しなくていいのがとてもありがたいです。また、グロースハックの案件を数こなしていくことにより、他の制作案件でも、積極的に施策をご提案できるようにもなりました。」

「ユーザーに寄り添って、より使いやすくデザインを考えるのは楽しいですし、クライアントの売り上げに貢献できるのも嬉しいです。実際にどのくらいの効果をもたらせたのか検証してもらえるのが楽しい。そんな自分のものづくりに対する価値観がグロースハッカーという仕事向きなのかなぁと思います。」

ユーザーやクライアントのニーズに寄り添ったデザインが求められていて、その結果が数値として返ってくることは、片岡さんにとっては、とてもやりがいのある仕事に感じたという。

片岡:「グロースハッカーが投稿する案件には、それぞれ、コンバージョン数の向上や、回遊率のアップといった改善の狙いやゴールが設定されていて、自分のデザインがそのゴールを達成できたのかを数字として知ることができます。自分のデザインがクライアントの売上に貢献できたのか、サイトの訪問ユーザーの役に立ったのかを数値で知ることが出来るのは、制作のみの仕事では得られなかった体験です。」

仕事をしていると「グロースハッカーという仕事が自分には向いている」と感じるという。

片岡:「グロースハック案件では、ベースとなる案と比較されますので、基本的に”勝ち負け”があります。それも楽みの一つです。勝てば嬉しいですし、負けると悔しいので、『絶対に数字上げたるけんな』と気合が入ります。」

「小さいころから、多分、競う事自体は好きなんです。スポーツなどフィジカルな競技はどうしても習得までにかなり長い年月を要しますが、頭でどうにかなるタイプのものは、答えのパターンや仕組みを理解してしまえば、ある程度まではですが、どうにかなります。」

「勿論、グロースハックも、慣れや独自性は必要です。実際、1,000本ノックのように日々ご提案を繰り返していく中で、自分が以前よりもだいぶレベルアップしていっているのも実感しています。それもまた楽しくって。数字を通してデザインと向き合う、”グロースハッカー”という仕事は自分にとても向いているんだろうなと思っています。」

心地よいコミュニケーションを作りたい

グロースハッカーが作るデザインには、その人の性格が表れるという。片岡さんは自分をどんなタイプのグロースハッカーだと思っているのだろう?

片岡:「あえて表現すれば、“心地よいコミュニケーション追求型グロースハッカー”ですかね。ユーザーに寄り添って、とことん、優しい”不安を取り除く系のデザイン”をするのが得意です。」

「あとは、要点だけドーン系のデザインも作ります。もともとの性格が、考えすぎちゃうくらいに相手の心情を考えてしまうタイプ…なのに、めんどくさがりやなので、それがデザインにも出ていると思います。」

片岡さんの名刺。「二角形 わかりやすくする人 片岡彩子」

片岡:「デザインの作り方としては、自分自身でそのサイトを訪問してみて感じた素直な第一印象に従って、バーンとだいぶ大胆に変更を加えるのが、私の特徴かなと思います。」

「一方で、言葉選びが丁寧だという評価をいただくこともあります。大胆さと細かさと、相反する特徴のようですが、サイト訪問者との心地よいコミュニケーションを作るためのデザインにはどちらも必要なんです」

わかりやすさを重視する片岡さん。名刺の肩書にも「わかりやすくする人」とある。

片岡:「自己紹介をするときに、『グロースハッカーって何?』と聞かれることが多いので、自分らしい肩書を作ってしまおうと思って考えました。」

「自分が大事にしていることは、『わかりやすさ』『たどり着きやすさ』だなと思って、『わかりやすくする人』を名乗ることにしたんです。『わかりやすさ』って、すごい『力』を持っていることだと思っています。」

 

グロースハッカーアワード2017表彰式でのプロファイル。ここにも片岡さんの”わかりやすさ”へのこだわりと”ユーザーへの優しさ”があふれている。

最後に、片岡さん自身の将来のことについて聞いてみると、微笑みながらこう答えてくれた。

片岡:「正直、わからないですね。今こうしてグロースハッカーのお仕事をしていることも、数年前は想像すらしていなかったですし。もしかしたら数年後は何かにチャレンジしているかもしれません。まあ、3年後とかのことは、『未来の自分、よろしく!』ということで!(笑)」