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【 グロースハックカンファレンス潜入レポート】〜クックパッド加藤氏・KAIZEN須藤が語る グロースハックを考える際に重要な8つのポイント〜

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5月28日に表参道で開催された少人数限定イベント、グロースハックカンファレンス
クックパッド執行役員の加藤氏と弊社CEOの須藤をゲストに迎え、会場からの質問をテーマにしたトークセッションが行われました。

本稿ではトークセッションの内容から、ポイントを整理してお届けします。
具体的には、

  • 『施策を立案&実行する際の注意点』
  • 『グロースハッカーに必要なこと』
  • 『グロースハックマインドを組織に定着させるために』

の3つのテーマにわけて、以下の8つのポイントを紹介していきます。

8つのポイント
  1. 顧客インタビューで好評な新機能はたいてい使われない!!
  2. やる前から先入観に囚われすぎるな!
  3. 継続率向上のためには、まずは基礎的な非テクニックな部分から!
  4. “リニアにヒットする指標”を見つけよう!
  5. プロダクトのことを愚直に考えながら、ひたすら地味なことを繰り返す
  6. グロースハッカーは打たれ強くあれ!
  7. 「組織文化や風土」こそ簡単には真似出来ない本当の強み
  8. 失敗を気にしない、挑戦を評価する仕組みを!

施策を立案&実行する際の注意点

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1. 顧客インタビューで好評な新機能はたいてい使われない!!

【テーマ】顧客インタビューで得られた知見を基にグロースハックを行ったがあまり結果が出なかった

最初の質問は、顧客インタビューを基に開発した新機能の成果があまり良くなかったというもの。これに対するお二方の回答は、「みんな機能をつけると良くなると思っているが、それはたいてい幻想」だということ。インタビューでは恣意的な意見が出やすいため、聞き方を十分に注意する必要があります。

『本当に切迫した課題に対して、シンプルかつ、ある種手に馴染んだ道具のように簡単に使いこなせるような機能やサービスであれば使われる。それあったらいいよね、程度のものだとほとんど使われないというのが現状。』(加藤氏)

『過去の経験からも新機能をつけても意味がないことが多かった。成功確率は2-3割くらいで、3分の1は全くダメで、残りは成功かどうかよくわからないという感じ。』(須藤)

ここで重要なのが、“いかにストレスなく使ってもらうか”という点です。シンプルさを保ちながら新しい機能をつけるのは非常に難しいので、新機能開発はなかなか上手くいくものではないと加藤氏。

特にクックパッドのアプリでは、『Stress-free』というキーワードで表現されるように、「Simple」、「Smooth」、「Speedy」という観点を大切にしてグロースハックを行っているそうです。

文末に掲載している加藤氏の『クックパッドのグロースハックについて』より

少しでもユーザーを惑わしてしまう機能は、その機能が使われないだけならまだしも、サービス自体からの離脱にも繋がる恐れもあるため注意が必要です。

2. やる前から先入観に囚われすぎるな!

【テーマ】結果が良かった場合でも、原因がよくわからないものの解釈の方法

例えば有名なオバマ大統領のA/Bテストの事例の場合、家族で写っている写真が1番結果が良かったものの、その原因をどのように解釈するかは非常に難しいです。

この点に対しては「無理に理屈をつけることにこだわらず、あえて理屈をつけないのも重要」という話がすごく響きました。

『どうしても理屈をつけてしまいがちだけど、理屈がない方が上手くいくことも多い。実際にこんなの無理だろと思った施策が意外といい結果に結びつくこともある。重要なのは、変に先入観を持たないことと、後は出た結果をどう受け止めるか。実際なんでって言われてもわからないことに対して、無理に理屈をつけるのはすごく無駄』(須藤)

『無理に理屈をつけたりはしないが、複数のテストに共通項があるかどうかはきちんとチェックしている。実際世間一般で上手く行っている事例が自社のサービスで上手くいくとは限らないので、とにかく自分たちで数を試して知見をためていくことが大切』(加藤氏)

3. 継続率向上のためには、まずは基礎的な非テクニックな部分から!

【テーマ】継続率向上の為に押さえておくべきポイントや効果的な施策

継続率を高めるという点に関して、興味深かったのが加藤氏の“テクニック論”と“非テクニック論”という考え方です。

上記のように、いわゆるグロースハックというイメージの強いテクニック的な施策と、サービスのもっと基本的な部分である非テクニックな施策。『継続率を上げるためには、まずこの基礎的な部分をしっかりすることが重要』と加藤氏。

それを踏まえた上で、飛び道具となるテクニカルな施策、例えばユーザーのタイプごとに適した機能を無料で使えるようにしたり、利用者がもっとサービスを使いたくなるような導線設計をするなどの施策を打つのが基本となっているそうです。

4. “リニアにヒットする指標”を見つけよう!

【テーマ】 継続率向上の為に押さえておくべきポイントや効果的な施策

一方で、須藤のこの質問への答えは『リニアにヒットする指標を見つける』こと。

例えば有名なTwitterの事例であれば、最初の5人をフォローさせることでユーザーの継続率が上がったことから、この「5人をフォローさせる」という点が指標になり、同様にDropboxの事例だとファイルを1つアップロードさせることがユーザーの継続率増加にかなり効いているので、これが指標になります。

こういった、ユーザーの継続率に大きな影響を与える指標を見つけることができれば、その数字を改善する施策を打つことで継続率の向上が見込めます。

グロースハッカーに必要なこと

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5. “プロダクトのことを愚直に考えながら、ひたすら地味なことを繰り返せる”のが最低条件

【テーマ】グロースハッカーとWebマーケターの違い

この点に関しては、そもそも「グロースハック」自体が全く新しい概念ではなく、今の時代の新しいラベリングというのがお二人の見解で、その上でキーワードとなるのが「プロダクト」という言葉です。

『プロダクトを良くすることが、マーケティングを加速させる。特に今のスマホや、ソーシャルといった環境では、プロダクトの方を頑張るとマーケティングに寄与しやすくなる。そういった意味で、従来のWebマーケターが広告や集客の担当というイメージが強かったが、グロースハッカーはプロダクトも含めた広義のマーケターと考えている。』(須藤)

『プロダクトそのものを変えたり、どう受け入れてもらうかを変えたりといったようにプロダクトのことをどれだけ考えられるかがポイント。だからすごい地味なことをひたすら回し続けることが求められる』(加藤氏)

6. グロースハッカーは打たれ強くあれ!

【テーマ】グロースハッカーに向いていない人
  • フットワークが重い人
  • 批判的な人
  • 打たれ弱い人
  • 失敗や挫折をしたことがない人

『特にWebの場合は、失敗することによる痛手が少ないので、むしろ早く失敗をして、最終的に1番最初に成功することが重要』(加藤氏)

『以前Facebook日本法人で副代表を務めていた森岡さん(現KDDI)に、グロースハッカーは1万回くらい失敗してもらわないと困ると言われたことがある。まさしくその言葉が表すように、数10回、数100回くらいの失敗で諦めるようではグロースハッカーにはなれないということだと思う』(須藤)

スキルがどうというよりは、「失敗をたくさんしてもそこから何かを学んで、最終的に成功にもっていくというマインド」をもっていることがグロースハッカーにとって絶対に必要になるという点が共通するポイントです。

グロースハックマインドを組織に定着させるために

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7. 「組織文化や風土」こそ簡単には真似出来ない本当の強み

【テーマ】優秀なグロースハッカーはどこにいるのか

まずこの質問に対する直接的な回答としては、両者ともに「自分たちが知りたいほどです」と即答。実際のところ例えばLinkedInなどでグロースハッカーを検索してみると、登録者は50数名程しかいないのに対し、求人は2万件くらいあるそうです。

そんな状況だからこそ、組織にグロースハックのマインドを定着させ、そのマインドを備えた人材を育てることも重要なポイントです。

『組織にそういった文化や風土をどう根ざすか、特に特定の個人にではなく、組織自体にというところがポイント。組織にその文化があれば、そのこと自体が強みになる。』(須藤)

『特にグロースハックをやり始めた当初は、とにかくいろいろな人とアポを取って事例を集め、たくさん試し続けた。今ではそういった文化を作ってこれたことが強みになっている。反対に、自分たちで実際に施策を回す中で、tipsだけをまねても仕方ないことが分かってきた。なので、”クックパッドではこうした”、という施策の結果はかなり公開している。』(加藤氏)

8. 失敗を気にしない、挑戦を評価する仕組みを!

【テーマ】どのような評価体制をとっているか

まず両者に共通するのは、失敗はある意味当然のこととして捉えて、それを最終的にどのように結果に生かせたのかというように、結果に着目しているという点。

その上で、加藤氏は実際の場合では評価をする際に、「成果評価」と「行動評価」にわけて評価をするようにしているといいます。

『評価をする際には、基本的には結果でみるが、グロースハックの領域では、その期間でどれだけ仮説を出して知見をためるテストをしたかの行動の部分も評価を加える形』(加藤氏)

一方で須藤氏は、前職のリクルート時と、現在では当然少し立ち位置が変わってくるとした上で、以下のように話します。

『リクルート時代は、わかりやすく失敗して欲しい時などは“失敗率”で評価をしていた。40-50%くらい失敗していなければコンサバじゃないかと。逆に今はスタートアップなので、失敗は当然だから気にしないとして、結局それをどうするかを大切にしている。評価云々ではなくて、失敗することははずかしくない、へっちゃらという空気感を作っている』(須藤)

参考資料〜もっと詳しく知りたい方へ〜

最後に、KPIを立てる際のコツや、細かいグロースハック施策の実例など、「もっとグロースハックについて知りたい」という方のために、参考となる記事、スライドを紹介します。

『クックパッドのグロースハックについて』クックパッド 加藤氏

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クックパッドのグロースハックについて 20140610 ver1.2(更新版)

『【全ウェブ担当者必見!】グロースハックとは何か~グロースハックが注目される3つの理由とその本質~』KAIZEN platform 須藤

kaizen

【全ウェブ担当者必見!】グロースハックとは何か~グロースハックが注目される3つの理由とその本質~