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コンセプトダイアグラムを活用した仮説検証の継続が、サイトを劇的に改善する!【事例】ニフティ不動産

最後に行われたパネルディスカッション「ニフティに聞く、Webサービスのグロースに必要なこと」の様子

全ての施策は、必ず“仮説”からスタートします。しかしその仮説の立て方、精度は正直、属人的でありミエル化されたものではありません。仮説の精度をいかに高め、どうKPIを設計するのか。これはマーケティングに関わる全ての人の悩みではないでしょうか?

ここで一つのキーワードを提示します。「コンセプトダイアグラム」という、ユーザーの行動、気持ちの変化を図解したアウトプットです。つくって終わりのカスタマージャーニーと違い、計測が可能であるため、サイト改善には非常に効果的ですが、まだまだこのアウトプットを活用できている会社は多くはありません。

今回は、4月15日(金)に開催されたUNCOVER TRUTH x Kaizen Platform共催セミナーから、コンセプトダイアグラムの活用方法を紹介します。セミナーでは、UNCOVER TRUTH CAO小川卓氏、Kaizen PlatformコンサルタントでありディレクションパートナーBitAのCMO中村健太氏、そして実事例としてニフティのプロジェクトメンバーが自らその経験と実際の改善策を解説しました。

セッション資料のダウンロードはこちらから

ニフティ不動産のサービスについて

まず、ニフティ株式会社のプロデューサーである鈴木宏昭氏より、ニフティ不動産の説明と抱えていた課題の説明がありました。

鈴木:ニフティ不動産は、15の不動産サイトをまとめて検索できる不動産情報プラットフォームです。2000年から始まり、はや15年。賃貸・売買の領域でサービス提供しています。

不動産のポータルサイトから物件データをもらい、加工した上でユーザーの利便性を高め、それをユーザーさんが見て、良い物件があったら問い合わせをするといった形です。

しかし、多くのユーザーが訪れることはGoogle Analyticsで判明しますが、どういった目的で動いているかがわかりません。言ってしまえば、サービスが長く続いてたことにより規模感が拡大したため、改めてユーザーストーリーを確認して、KPIを再定義していきたいということでした。

この動きを分析できれば、より良いサービスに近づけるんじゃないかという仮説があり、今回の取り組みでコンセプトダイアグラムでユーザーをしっかりと定義付けできたことにあります。

ニフティ不動産をグロースへと導いたコンセプトダイアグラムとは

続いて、UNCOVER TRUTHのCAOである小川卓氏より、コンセプトダイアグラムについての詳細な説明が実施されました。ここでは、【What】、【When】、【How】にわけて紹介します。

What

コンセプトダイアグラムというのは、ユーザーの行動、気持ちの変化を図解した、計測可能なアウトプットです。ユーザーの動きを可視化したアウトプットを作成し、それをちゃんと計測できるようにしようと。カスタマージャーニーも大事ですが、それだけだと「こういうユーザーを増やしたいな」という数値の部分で終わってしまいがちなので、コンセプトダイアグラムはそこにもっと踏み込んだものになります。

When

どこで使うかというと、目標KPIを設定する部分、分析に入るスタートの部分でこのコンセプトダイアグラムを作成することがオススメです。サイトをリニューアルするにあたって、改めてKPIを設定したりとか。またニフティのように、長い期間やっている中で、いまいちどう改善すべきか見えてこない、という場合には向いています。

How

実際には、ワークショップ形式でやっています。ポストイットを使ってアイデアをボードにはりつつ、3~4時間かけてコンセプトダイアグラムの図を作っていきます。気持ちの変化を描き出し、その後ユーザーの流れを図解して気持ちを追加する。そしてユーザーに次に進んでもらうためにはどういった機能やコンテンツがあれば良いのかを考える。最終的にその中でどういうユーザー群がいるのか測定する、といった流れになります。

コンセプトダイアログの一番の特徴は、ユーザーの気持ちや態度変容の理解を促進するということ。アクセス解析だと数値しか出てきません。ユーザーの気持ちまでは理解できません。ヒートマップで分析すると、ユーザーの気持ちがわかって、それが改善につながる。今まで見えなかったことが見えてくるのが魅力です。

絞り込み検索に着目し、仮説を構築!そこからコンセプトダイアグラムを設計。

その後、Kaizen Platformディレクションパートナーの中村健太氏より、仮説を設計、打ち手を用意し、振り返り改善し続けていくアプローチを紹介しました。

中村:まず、我々Kaizen PlatformとUNCOVER TRUTH、ニフティの3社で行なったゴールは、賃貸・売買のページのCVRの向上です。

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上記がPCビューの検索条件選択ページの変遷です。オリジナルのデザインから一度改善し成果がダウン、そこから更に改善し、結果的にオリジナルから大きくコンバージョン率の向上へと繋がりました。

具体的に何をしたかというと、絞り込み検索の際に、こだわり条件の利用率を向上を狙いました。つまり、「自分で探したい」とわくわくしながら探していたユーザーが「あった!」と見つけられるようにしたということです。それによって大きな態度変容が起こったんじゃないかなと思っています。改善の成果はこんな感じですと示したところで、Kaizenがどうコンセプトダイアグラムを設計したのか、という点をお話ししますね。

コンセプトダイアグラムをUI観点的にまとめ直す

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中村:物件を探している人は、皆、同じ心理ではありません。すぐに引っ越さなければいけない人といずれ引っ越したいという人がいますし、シチュエーションごとの感情も違いますから、その過程で起こる心理的な動線も違います。

態度変容にいたる要素をもう少しが具体的に洗い出してあげて、実際の動線に当てはめて検証すると、通常の一覧から詳細ページに来る人はこのセグメントにはこれくらいいるね、というのがわかるわけです。

例えば、通常の一覧から詳細ページに行くのは60%ですが、絞り込みした結果から詳細ページに行く人は90%を超えます。とにかく、意欲が強いということです。

つまり、引越ししなきゃと思ってるユーザーは、絞り込み検索を使って、階層の深いところまで行くワケです。ただ、絞り込み検索自体を使うユーザーの絶対数が少ないため、その母数を増やすことが重要という結論に行き着きます。

そこで仮説です。検索動線に乗っかった「探してるユーザー」というセグメントで切られたユーザーに対して、絞り込み検索をもっと使ってもらえば、詳細ページへの流入効率があがって、結果としてCV数増加に寄与するんじゃなかろうかというものでした。

一度の失敗で止めてはいけない、幾度という改善が成功へと導く。

中村:最初の改善案として、絞り込み検索をもっとアピールしたデザインに変えました。レイアウト変えたり、装飾したり、絞り込み検索を使えば良い物件が見つかるよ、というメリット訴求をしたり。それで何が起こったかといいますと・・・

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中村:はい、成果が下がりました(笑)。ここで止まっちゃしょうがないので、次にやったのが、絞り込み検索をかけなかったら先にいけないくらいのUIへと、大きく振り切りました。すると、良い結果が導かれました。

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中村:ここでハッキリしたいことが、いきなり正解を引くのはありえないということ。施策によっては、10案作って全部成果が出ないなんていうこともあります。

しかし、実際のデザイン案は何十案とやるわけですね。これは見るからに相当大変な作業ですよね。もし自社のディレクターとデザイナーでやろうものなら、途中で人が消えると思います(笑)。なんとかこれができたのは、Kaizenのプラットフォームとチーム体制があったからということですね。

今回はグロースチームオファー(旧商品名:特化型グロースハックチーム)というのを使っています。これはKaizen Platformに参加するグロースハッカーをある程度のチームとしてまとめて契約する形なので、まとめてコミュニケーションを取れるというメリットを持ちます。デザイン会社とコーディング会社が同じフロアにいて、その案件に関してみんなでやるイメージです。

全体の仮説をダイアグラムで作って、個別の施策を明文化、仮説を練って実際に行ない、さらにそこから上がってきた膨大なデータを検討して、さらに仮説を練り上げていく。その繰り返しを我々はやってきたということになります。

まずは仮説立てを3社で、ワークショップで。巻き込むことが、成功の秘訣である。

中村:ニフティさんの今回の成功ですが、コンセプトダイアグラムというワークショップを小川さんに開いていただいたところにあると思います。

最初のワークショップの段階で、「こうじゃないのか?」という一番最初の仮説を立て、ユーザー感情に即して自分たちでKPIを切っていくっていうのを、作り手も解析をする人間も、事業を回す人間もみんな混じった状態で、考える事ができました。

クライアントvsサービスプロバイダーみたいな構図になることなく、チームとしての体制を作ることができたから、成果が出るまで走りきれたんです。成果が出るまでは、いわば全部失敗です。

ただ、失敗をそれだけ繰り返せたというのが、成果が出た要因だと思いますし、コンセプトダイアグラムが持っている第二の価値なんじゃないかと思います。コンセプトダイアグラムが有効に働くということは、大前提としてユーザーの心理状態って決してペルソナとかシチュエーションに固定されているものではなくて、すごく流動的であるということです。

だからこそ、短い期間でたくさんのテストを行って、「今はこれなんじゃないのか」という施策を常に打ち続けること、これが体制としてチームで組めなければ、グロースハックプランはうまくいかないのではないかなと思っています。

ニフティに聞く、Webサービスのグロースに必要なこと

最後のパネルディスカッションのテーマは「ニフティに聞く、Webサービスのグロースに必要なこと」。小川氏と中村氏の講演で事例として紹介されたニフティ不動産でプロジェクトの中心にいた君島氏・高田氏のお二方を迎え、改めて「なぜうまくいったのか?」をうかがったり、改善を担当したKaizen Platform カスタマーサクセスマネージャー岡田からも、がんばりどころ、工夫のしどころなどをお話し、来場者の質問も受けながら議論しました。

Webサイトの改善を支援してほしい方は、どうぞKaizen Platformまでお問い合わせください。