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【アドテック東京2015】営業利益に126%の差−−データ活用の裏に潜む罠を知り、データ経営を成功させる

<登壇者(左から)>
グーグル株式会社 今井 則夫氏
株式会社ガリバーインターナショナル 菱沼 大氏
GMOアドパートナーズ株式会社 GMO NIKKO株式会社  橋口 誠氏
Kaizen Platform, Inc. 須藤 憲司

データを活用するか否かは、企業の生死を左右する。そう言っても過言ではないほど、データが企業に与える影響は年々、大きくなってきています。

「ビッグデータ」という言葉が叫ばれるようになり、多くの企業が一斉にデータの活用に着手し始めましたが、闇雲にデータを活用しても効果はありません。仮に、データを業績アップの特効薬と考えているのであれば、考えを改めるべきでしょう。

では、企業はどのようにしてデータを活用すればいいのでしょうか?ここでは、先日開催された、ad:tech tokyo 2015のトークセッション「Surprising Data:企業によるデータ活用に潜む罠と成功の鍵」の内容をお届けします。

データが与える衝撃の事実。顧客解析に積極的な会社とそうでない会社の営業利益は126%もの差が。

データの活用が企業にとって、どれほど重要か。それは、セッション当日にも披露された、上記のマッキンゼーの調査結果を見れば明らかでしょう。

データを活用している企業とそうでない企業を比較してみると、何と営業利益の差は126%、売上の差は131%という衝撃の結果に……。

もはや、データの活用は企業にとって“取り組むべきもの”から“取り組まなければならないもの”へと変化を遂げているのです。とはいえ、何となく分析を始めてみても、データを活用している気になるだけで、思ったような成果は得られません。

グーグル株式会社 今井 則夫氏

実際、今井氏は「目的がないと、そもそも仮説を立てて、データを集めることはできません。仮説がなければ分析もできないので、データを活用しているとは言えないでしょう」と語り、データを活用する上で最も重要なのは「何のためにデータを用いるのか」というマインド。目的・目標を持つことでKPI(主要業績指数)がはっきりし、データ活用が成功する可能性も高くなると言います。

なぜ多くの企業はデータ活用に失敗するのか?データ活用に潜む、4つの落とし穴

その言葉に合わせるかのように、弊社の須藤がデータ活用に失敗する企業が陥りがちな4つの落とし穴を紹介しました。なぜ、多くの企業はデータの活用に失敗してしまうのでしょうか?

1. データを活用すれば全て解決すると思っている

データの活用に成功した企業は、業績を大きく向上させています。その事実にのみ目を向け、データ活用の過程に目を向けない企業は、データを業績を向上させるための魔法と思ってしまいがちですが、そうではありません。

「データを活用すると、何でも出来るようになる」。そう思っている担当者も多くいるといいます。データ活用はあくまで、企業の問題解決に効果的な戦略の一つ。単に何かを導入したところで、効果は出ません。

2. 「目的」と「仮説」がない

「データを収集・蓄積したけど、次に何をすればいい?」

目的を持たずに、データの活用に着手し始めた企業は、すぐにこのような状態に陥ります。「目的」がないまま、データの収集・蓄積しても、それはただのコストでしかないのです。

Kaizen Platform, Inc. 須藤 憲司

3. 分析だけで満足してしまう

また、目的がない企業は往々にして、分析することに満足感を得てしまいがち。「分析して、色々なことがわかりました。けれど、何に活かせるデータか分かりません……」これでは、データを収集した意味なし。データは分析することを目的にするものではありません。自分たちは何がしたくて、どんなデータが必要なのか。ここを明確にすることで、初めてデータを活用していると言えるでしょう。

「わかってよかったね」で終わってしまわないように、目的を明確にした上でデータの収集・蓄積を始めるべきです。

4. データが散逸している

A:「◯◯のデータある?」
B:「確か、このフォルダに・・・」
C:「あっちで見ましたよ?」

データの活用に失敗してしまう企業では、このようなやり取りが頻繁に発生します。担当者のエクセルファイルにデータが眠っている、取引先の担当者が交代した、データを「紙面」でしか残していない。このように、データの所在が掴めない、もしくは散逸してしまっている状態では、データ収集のハードルが高くなり、途中で頓挫してしまいがちです。PDCAを高速で回すためにも、データの一元管理は必要不可欠なものと言えそうです。

最初はとにかくシンプルに。データ分析で失敗しないためのコツ

GMOアドパートナーズ株式会社 GMO NIKKO株式会社 橋口 誠氏

次に語られたのは、社内でデータ分析を始めるにあたって、失敗しないためのコツ。様々な企業のデータ分析をサポートしている橋口氏は、「導入する際に2つのことを意識すべき」と言います。

1. 最初はとにかくシンプルに

様々な条件を組み合わせ、複雑な状態でデータ分析を行っていると、データを活用している感覚を味わうことができるかもしれませんが、いずれ失敗に陥ってしまうことが目に見えています。最初はとにかくシンプルに。これがデータ分析を始める際の鉄則とのこと。

シンプルな状態でスタートすると、PDCAを回すスピードも上がり、少しずつアクションに変化を持たせることも容易になってくると言います。

例えば、すでに蓄積されている顧客データの中にも、会員・非会員、男性・女性、高単価・低単価、地域など様々なカテゴリーが存在していると思いますが、この中から2つ〜3つのデータを分析するだけで数十種類の結果が分かるそうです。

2. 「目的」と「目標」を必ず設定し、2回目・3回目以降のデータと向き合う

データ分析の直後は、様々な結果が見え、無駄な部分がはっきり見えてくることでしょう。無駄を削減することは企業の経営に与える効果も大きく、機械的に実施することができますが、削減するだけでは成長機会を失っていくだけ。

無駄を削るだけでなく、今後伸ばしていく分野にヒト・モノ・カネを投下し、成長へ向けて動き続けていかなければなりません。

止血と同時にコア事業・成長事業にリソースを回すアクション。そしてアクションを検証し、何度もPDCAを繰り返す、「改善」のマインドセットがデータ分析を行うにあたって、重要になります。

データ活用に成功した企業は何をしたのか?ガリバーインターナショナルに見る、社内に起きた変化

株式会社ガリバーインターナショナル 菱沼 大氏

もちろん、データを活用することに成功した企業もあります。中古車販売で有名なガリバーインターナショナルの菱沼氏はデータを活用することで、収益面だけでなく、社内の様々な分野に変化が起こったそうです。

1. 部署を横断した取り組みに成功

ベンチャーやスタートアップであれば、部署間を横断して仕事に取り組むケースもあるかもしれませんが、企業の規模が大きくなればなるほど、部署間を横断した業務上でのやり取りは減っていきます。

もちろん、ガリバーインターナショナルもデータを活用する前は部署間を横断した業務上のやり取りは少なかったそうです。しかし、データを収集し、分析を始めてみると、ITチームとマーケティングチームが自然と歩み寄って協働するようになりました。

2. 全社で課題意識を共有し、リソースを確保

データを活用するにあたって、ガリバーインターナショナルでは事前に全社で課題を共有。社員全員が課題を認識した上でデータ活用に着手した結果、途中で何をすればいいかわからない……という状態に陥ることもなかったと言います。

3. 施策への解釈が変わった

過去に試してみたものの、効果がはっきりせずに断念……。そんな手法がデータを活用することで、もう一度日の目を見るようになりました。また、これまで手を出せずにいた施策もどんどんチャレンジできるようになり、社内全体で施策に対する解釈が変わったとのことです。

「過去の蓄積」から「アクションのためのデータへ」

データの活用は、もはや避けて通れない道。すぐにでも着手し始めるべきですが、勘違いしたまま始めても意味がありません。このセッションを通じ、「データを集めている会社の業績が良い」わけではなく、「顧客データの解析に対して注力している会社」が業績を伸ばしていることが分かりました。

まずは目的と仮説を明確に。そこから、データ活用の第一歩が始まります。

Kaizen PlatformはデータドリブンにWebサイト改善を進め、収益を伸ばすお手伝いをしています。当セッションに一緒に登壇したガリバーインターナショナル様をはじめ、様々な企業のカイゼン事例を合わせてご覧ください。