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効果36倍のA/Bテスト方法ほか海外人気バイラルメディアに学ぶサイト改善の公式と施策

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数多く存在するバイラルメディアの中でも、急激な成長率が話題となったUpworthy。良質なコンテンツはもちろんのこと、その成長の秘訣は「オリジナルのバイラルを起こすための公式」と、それに関する「細かい施策と考え方」です。

本稿では以下の項目に沿って、メディアを運営している人を始め、サービスの成長に悩んでいる方に参考になるポイントをお伝えします。

  • Upworthyのグロースの公式
  • 『Shares per view』(シェア数)を高める施策
  • 『Clicks per shares』(クリック数)を高める施策
  • その他の改善施策
  • Attention Minutesという新たな指標
  • 終わりに / 参考資料の紹介

グロースの公式の作り方

鍵を握る2つの指標

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(「How to make that one thing go viral just kidding」スライド3枚目参照)

まず押さえておきたいのが、Upworthyのグロースに関する考え方についてです。図を見ると、重要な指標として以下の2つが挙げられています。

  • Shares per view ➡ 閲覧数におけるシェア数
  • Clicks per shares ➡ シェア数におけるクリック数

そして、この2つの指標がどちらも高い数値をたたき出した場合にバイラルが発生するとしています。

参考にしたい目標の立て方

ここで参考にしたいのが、サービスのグロースを考える際に目標とする指標の立て方です。

ポータルサイトやメディアを運営される場合、PVやUUといった指標をKPIとして設定するケースも多いと思います。

Upworthyはそこから一歩踏み込んで、シェア数とシェアされたコンテンツのクリック数を1つの指標としています。

PVやUUという最終的な結果となる数値だけを追うのではなく、その結果に大きな影響を与える、もう一歩手前の数値を追っていくことで、より解決するための打ち手が考えやすくなり、最終的な成果にも結びつきやすいです。

実際Upworthyでは、それぞれの指標に対して以下のような施策を実施しています。

●Shares per view を高める

シェア数を高めるためのページの設計・A/Bテスト / シェアされるコンテンツ作り

●Clicks per shares を高める

クリック数を高めるためのタイトル・画像の最適化

ここからはそれぞれの施策について具体的に紹介していきます。

Shares per view を高める施策と考え方

シェア数を増やすために重要となるのが、シェアをしやすいページ設計をすること。Upworthyでは、各コンテンツページのデザインを何度もテストをし、最適化することで、シェア数の最大化を目指しています。

シェアボタンに関するA/Bテスト

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これはUpworthyaのブログで公開されている、過去の改善例です。

「各ソーシャルメディア毎のシェアボタンを、コンテンツの真上と横の2カ所に設置」

するように変更したところ、Bの方がシェア数が50%以上も多かったという結果がでたという事例です。

  • アクションボタンをわかりやすい場所に設置 / 強調する
  • なるべくコンテンツの近くにアクションボタンを設置する

上記のような改善は様々な事例でも結果が出ている、まず最初に試したいポイントです。
Upworthyではさらにページのデザインを変更し、現在では以下のようになっています。

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  • アクションボタンをコンテンツの下にも設置(上下と左横の系3カ所)
  • アクションボタンを大きくし強調
  • シェアボタンをポップアップの用に表示することで強調
  • 動画コンテンツ下にはFacebookのLikeボタン設置

とにかく各所にシェアボタン・Likeボタンを設置して何らかのアクションを促す努力をしています。特に3つ目のシェアボタンの強調方法は他のバイラルメディアではまだあまり見られない試みです。

Clicks per shares を高める施策と考え方

タイトル(ヘッドライン)の改善

シェアされた記事のクリック数を高めるのにUpworthyが注力しているのが、タイトル(ヘッドライン)の最適化です。

タイトルに対する考え方がかなり徹底していて、

  • 各記事ごとに25のヘッドラインを考える
  • タイトル毎のクリック数をテストする
  • タイトルを最適化するとともに、クリックされやすいタイトルに関するナレッジをためる

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例えば、上記の2案は同じ記事に対する25のタイトル案の内の2つなのですが、『Aのクリック数はBの36倍』とタイトルが違うだけでこれだけの違いが発生しています。

ソーシャルからの流入を増やしたい場合は、タイムラインに流れているたくさんのコンテンツの中でも、ぱっと見て「読んでみたい」と思われるタイトルを考えないといけません。

たった数十文字の文言が変わるだけで、クリック数も劇的に変わってくるだけに、このタイトルに対する執念は参考にしたい部分です。

タイムラインに表示される画像の改善

クリック数を改善するためにタイトルと同様に重要になってくるのが画像です。

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(「How to make that one thing go viral just kidding」スライド25枚目参照)

upworthyでは特徴的な画像が設定されているのが印象に残りますが、タイトルと同様に画像についてもかなり綿密に設計されています。

タイトルのように具体的な個数は明かされていませんが、同様に同じ内容の記事でも、いくつかの画像でテストをしながら最適化しています。

シェア時の文言を最適化

上記に加え、ソーシャルメディアでシェアする際の「テキスト」まで徹底的にこだわっているのがUpworthyのすごい部分。

国内ではマンガボックスの事例も話題になりましたが、ソーシャルメディアで注目を集めるために、シェアされる際の文言にまで気を配っています。

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自分で編集をしない限り、予め運営側で設定されたテキストが使われることになります。図の例も、Twitterでシェアする際には、タイトルとは違うTwitter拡散用のテキストがデフォルトで適用されていることがわかります。

その他の改善施策

シェア数・クリック数を増やすための代表的な施策を紹介してきましたが、Upworthyはそれ以外にも細かい施策を随所で実施しているので、いくつか紹介します。

動画視聴後のポップアップ

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まず1つ目は『コンテンツ視聴後に表示されるポップアップ』です。動画を最後まで視聴すると、シンプルなポップアップでメールアドレス入力画面が現れます。

現在はメールアドレスの入力画面ですが、以前はFacebookページへのいいねを要求する内容のポップアップが表示されていて、何も表示しない時に比べ、420%アクション率が増加という結果が出ています。

動画を最後まで視聴した人に対してだけ表示するというのがポイントで、ある程度満足している可能性があるユーザーに対してアクションを要求することでより高い効果が見込めます。

例えば、”サービスの紹介動画を最後まで視聴したユーザーにポップアップで次のアクションを要求する”など業種や、目的のアクションに限らず応用できる施策です。

Facebookページのいいね数を増やすためのポップアップ

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次に紹介するのは、『ページをスクロールすると表示されるポップアップ』です。

ページを下までスクロールさせると、右下にFacebookページへのいいねを求めるポップアップが表示させます。こちらもシンプルな施策ですが、設置前に比べアクション数が620%増加しています。

加えてこのポップアップに更なる改善を加えて結果を上昇させた点もポイントです。ここからさらにポップアップが表示されるのを16秒遅らせるパターンを実験し、70%アクションを増加させることに成功しました。

  • 第1段階 : スクロールした際に、右下にポップアップを表示することで620%改善
  • 第2段階 : ポップアップを表示するのを16秒後にすることで、更に70%の改善

Attention Minutesという新たな指標

様々な施策を用いて多くのユーザーを集めているUpworthyですが、現在はPVやUUに変わる独自の新しい指標、「Attention Minutes」を基に更なる成長を目指しています。

これは、動画であれば実際に再生されているか、ユーザーが複数タブを開いている場合はどのタブが表示されているかなど、従来の「ページ滞在時間」より詳細なデータに基づく、ユーザーが実際にコンテンツに注目している時間を測定するというもの。(「読まずにシェアする人は意外と少ない──Upworthy調べ」参照)

下のグラフは訪問者の内コンテンツをシェアした人の割合(縦軸)とAttention Minutes(そのコンテンツをどのくらい見たか / 横軸)で示しています。

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(読まずにシェアする人は意外と少ない──Upworthy調べ」参照)

このグラフから、コンテンツを最後まで読み切ったユーザーが特にシェアする割合が高いことがわかります。

Upworthyでは、シェアしやすいような工夫、シェアされたコンテンツがクリックされやすい工夫を最大にしつつ、「Attention Minutes」という新しい指標を基にしながら、ユーザーが最後まで読みたいと思うような質の高いコンテンツを作る事を大切にしています。

終わりに

Upworthyは自社のナレッジをかなりオープンにしていて、ブログやSlideshare上には参考になる資料がたくさんあります。

今回紹介した目標とする指標の立て方や、具体的な施策はもちろん、その背景にある考え方の部分までメディアを運営している方だけでなく、サービスのグロースに悩んでいる方は何かしら学べる点があると思うので是非チェックしてみてください。

ここでは本稿で参考にしたものを中心にいくつか紹介します。

Slideshare資料

UpworthyのナレッジはSlideshare上でたっぷり紹介されています。1度ご覧になってみて下さい。

ブログ『UPWORTHY INSIDER』

施策などの細かい内容というより、そもそもの考え方や哲学などはブログが詳しいです。

その他参考になるメディア

businessinsiderの記事は、簡潔にUpworthyの成長の流れが掴めるので、メディア運営者の方にはオススメです。また『メディアの輪郭』は国内外のメディアのトレンドや成長の秘訣がまとめられたブログで、非常に勉強になります。